選挙制度
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初級

衆議院選挙の仕組み

衆議院議員総選挙の選挙区と投票方法について詳しく解説します。

衆議院議員総選挙

衆議院議員総選挙は、日本の政治において最も重要な選挙の一つです。 この選挙の結果が政権の行方を左右し、国の政策に大きな影響を与えます。

衆議院議員総選挙は、衆議院の全議員を選出する選挙です。 小選挙区制と比例代表制を組み合わせた並立制を採用しており、 有権者は2票を投じることができます。

1. 衆議院選挙の概要

衆議院議員総選挙の基本情報

定数

  • • 小選挙区制:289人
  • • 比例代表制:176人
  • • 合計:465人

任期

  • • 4年
  • • 解散による早期選挙あり
  • • 任期満了による選挙

💡 重要なポイント

衆議院選挙は、内閣総理大臣の指名権を持つため、日本の政治において最も重要な選挙です。 この選挙の結果が政権の行方を左右します。

2. 小選挙区制の仕組み

小選挙区制の特徴

  • • 全国を289の選挙区に分割
  • • 1選挙区から1人を選出
  • • 最多得票者が当選
  • • 地域代表の確保

メリット

  • • 政権交代が起きやすい
  • • 地域代表の確保
  • • 政治の安定性
  • • 有権者の選択が明確

デメリット

  • • 死票が多い
  • • 少数政党が不利
  • • 地域格差の拡大
  • • 政策より人気投票

選挙区の設定

人口に基づく配分

各都道府県の人口に基づいて選挙区数が決まります。 人口の多い都道府県ほど多くの選挙区が設定されます。

一票の格差

選挙区間での有権者数の差が2倍を超えると憲法違反の可能性があります。 定期的に選挙区の見直しが行われます。

3. 比例代表制の仕組み

比例代表制の特徴

  • • 全国を11のブロックに分割
  • • 政党の得票率に応じて議席配分
  • • 少数政党も議席獲得可能
  • • 死票が少ない

メリット

  • • 死票が少ない
  • • 少数政党も議席獲得
  • • 政策本位の投票
  • • 民意の正確な反映

デメリット

  • • 政権交代が起きにくい
  • • 地域代表の確保が困難
  • • 政党の影響力が強い
  • • 政治の不安定性

比例代表ブロック

11ブロックの構成

北海道、東北、北関東、南関東、東京、北陸信越、東海、近畿、中国、四国、九州の11ブロックに分かれています。

議席配分

各ブロックの定数は人口に基づいて決まります。 政党の得票率に応じてドント方式で議席が配分されます。

4. 投票方法

2票制の仕組み

衆議院選挙では、有権者は2票を投じることができます。 1票は小選挙区の候補者に、もう1票は比例代表の政党に投票します。

小選挙区投票

  • • 候補者の氏名を記入
  • • 最多得票者が当選
  • • 地域代表の選出
  • • 政権交代の鍵

比例代表投票

  • • 政党名を記入
  • • 得票率に応じて議席配分
  • • 少数政党の救済
  • • 政策本位の投票

💡 投票のコツ

小選挙区では地域の代表者を、比例代表では政策や理念を重視して投票することをお勧めします。 両方の票を同じ政党に投じることも、異なる政党に投じることも可能です。

5. 開票と結果

開票の流れ

  • • 投票締切後、即日開票
  • • 小選挙区は最多得票者が当選
  • • 比例代表はドント方式で議席配分
  • • 重複立候補者の調整

小選挙区の結果

  • • 各選挙区で最多得票者が当選
  • • 同票の場合はくじ引き
  • • 即座に当選者が確定
  • • 地域代表の確保

比例代表の結果

  • • ドント方式で議席配分
  • • 名簿順位に従って当選
  • • 重複立候補者の調整
  • • 少数政党の救済

重複立候補の調整

小選挙区で当選した場合

小選挙区で当選した候補者は、比例代表の名簿から除外されます。 その分、名簿の下位の候補者が繰り上がって当選します。

惜敗率による復活当選

小選挙区で落選した候補者でも、惜敗率が高い場合は比例代表で復活当選する可能性があります。