日本の国会は「二院制」を採用しており、衆議院と参議院の2つの議院で構成されています。 両院は似ているようで実は大きく異なる特徴を持っています。 この記事では、衆議院と参議院の違いを詳しく解説していきます。
1. 基本情報の違い
衆議院
- 定数: 465人
- 任期: 4年
- 解散: あり
- 被選挙権: 25歳以上
参議院
- 定数: 248人
- 任期: 6年(3年ごとに半数改選)
- 解散: なし
- 被選挙権: 30歳以上
💡 ポイント
衆議院は任期が短く解散もあるため、国民の意思をより直接的に反映しやすい構造になっています。 一方、参議院は任期が長く解散がないため、より慎重で長期的な視点での審議が期待されています。
2. 権限の違い
内閣総理大臣の指名
両院で異なる人を指名した場合、衆議院の指名が優先されます。
これは衆議院の優越の一例です。
予算の議決
参議院が衆議院と異なる議決をした場合、衆議院の議決が国会の議決となります。
予算は衆議院の優越が認められています。
条約の承認
参議院が衆議院と異なる議決をした場合、衆議院の議決が国会の議決となります。
外交に関する重要事項も衆議院の優越が認められています。
3. 選挙制度の違い
衆議院の選挙制度
小選挙区制(289人)
全国を289の選挙区に分け、各選挙区から1人を選出
比例代表制(176人)
全国を11のブロックに分け、政党の得票率に応じて議席を配分
参議院の選挙制度
選挙区制(148人)
都道府県を単位とした選挙区から選出
比例代表制(100人)
全国を1つの選挙区として、政党の得票率に応じて議席を配分
4. 衆議院の優越とは?
衆議院の優越が認められる場合
- • 内閣総理大臣の指名
- • 予算の議決
- • 条約の承認
- • 法律案の議決(参議院が否決した場合)
衆議院の優越は、衆議院が国民により直接的に選ばれていることと、 任期が短く解散もあることから、国民の意思をより反映しやすいという理由で認められています。
5. まとめ
衆議院と参議院の役割分担
衆議院の特徴
- • 国民の意思を直接反映
- • 機動的な政策決定
- • 内閣との密接な関係
- • 優越権を持つ
参議院の特徴
- • 慎重で長期的な審議
- • 衆議院の暴走を防ぐ
- • 専門的な議論
- • 地域代表の機能
このように、衆議院と参議院は異なる特徴と役割を持ちながら、 互いに補完し合うことで、より良い政治を実現することを目指しています。 二院制の意義を理解することで、日本の政治制度についてより深く理解できるようになります。